中国地蔵尊霊場巡りのご案内

中国地蔵尊霊場とは

中国地蔵尊霊場は、平成9年(1997年)に中国地方5県(岡山・広島・山口・島根・鳥取)の三十ヶ寺が集まって開設されました。 お地蔵様(地蔵菩薩)は、私たちが困難な時代を生き抜く中で、最も身近で「ほほえみと安らぎ」を与えてくださる仏様です。三十のお寺を巡りながら、自分自身の心を整え、大切な方への祈りを捧げる「安らぎの旅」として多くの方に親しまれています。

巡礼のいろは

  • 専用の納経帳(御朱印帳): 各寺院の地蔵尊と寺院名が美しく記された専用の納経帳が用意されています。
  • 巡礼用品: 納札、巡礼の手引き、掛軸、満願証など、巡礼を支える用品も揃っており、初心者の方でも安心して始められます。
  • 心のよりどころ: お孫さんの健康を願って毎日お参りされる方や、人生の節目に自分を見つめ直すために巡る方など、多くの方がそれぞれの想いを胸に歩まれています。

第15番札所:法成山 真福寺

山口県周南市福川に位置する真福寺は、この歴史ある霊場の「第15番札所」です。

札所本尊:福福福地蔵(しあわせ地蔵)

当山にお祀りされているお地蔵様は、「福福福地蔵」と書いて「しあわせ地蔵」とお呼びいたします。

「福」という字が三つ重なるこのお名前には、「過去・現在・未来の三世にわたって、皆様に限りない福(しあわせ)が訪れますように」という深い願いが込められています。 また真福寺の「福」、福川の「福」、幸福の「福」の三つの福も表してもいます。
元々は「耳地蔵」として、地域の方々の信仰厚いお地蔵様で、お地蔵様の耳をさすって、自分の耳をさすれば、よく聞こえるようになるという功徳で知られてきました。お寺の改装をした際に、昔より高いお祀りすることになったので耳や頭には手が届かなくなってしまいましたが、お参りすると願った部位がよくなるお地蔵様と現在も信仰されています。「お参りすると心がポカポカと温かくなり、幸せな気持ちになれるお地蔵様」として、地域の方々や巡礼者の皆様に親しまれています。


真福寺 札所の特色

  • 鎌倉時代から続く祈り: 境内にある鎌倉時代(1303年)の板碑には、お地蔵様を象徴する梵字(種子)が刻まれています。700年以上も前からこの地で、人々の「しあわせ」を願う祈りが途絶えることなく続いてきました。
  • 福川宿の安らぎ: かつて脇本陣として栄えた福川宿の歴史を感じる静かな環境の中で、福福福(しあわせ)地蔵様と静かに向き合うひとときは、日常の疲れを忘れさせてくれます。

巡礼の皆様へ(住職より)

「福福福」というお名前を口にするだけで、自然と笑顔がこぼれます。 巡礼の道中、不安や悩みをお持ちの時も、どうぞ当山の「しあわせ地蔵」様の前で手を合わせてみてください。私も、皆様がこの場所で、文字通り三つの福に包まれるような、穏やかなひとときを過ごされることを心より願っております。



はっきりした由来はわかっていませんが、真福寺の福福福(しあわせ)地蔵様は、右手を耳に当てて人々の声に耳を傾ける「聞き耳地蔵(嬉聞耳地蔵)」の尊容であると考えられます。

また、右膝を立てているお姿は「遊戯坐(ゆげざ)」と呼ばれる姿勢の一つで、仏様がいつでも立ち上がって人々を救いに行ける、深い慈悲の心を表しています。

このようなお姿のお地蔵様の由来や功徳について考察してみました。

1. お姿の由来:「皆の話を聞きます」という慈悲の心

  • 右手を耳に添える仕草:これは「聞き耳(ききみみ)」と呼ばれ、人々の苦しみや悩み、願い事を漏らさず聞き届けようとする、深い慈悲のお姿です。
  • 遊戯坐(右膝を立てる姿勢):ただ座って見守るのではなく、助けを求める人がいれば、すぐに立ち上がって駆けつけようとする救済の決意を象徴しています。
  • 老僧の化身伝説:かつて旅の老僧が、人々の悩みを耳に手を添えて熱心に聞き、次々と願いを叶えたという故事があります。その老僧の慈愛に満ちた姿を地蔵菩薩の化身として祀ったのが、このお姿の由来の一つとされています。

2. 主な功徳(ご利益)

  • 心願成就(願いを叶える):人々の願いを直接耳を傾けて聞いてくださることから、どんな願い事も聞き届けてくださると信じられています。
  • 耳の病気平癒:そのお姿から、特に「耳の病(耳だれ、難聴など)」に霊験があるお地蔵様として信仰されることも多いです。
  • 心の安らぎ・悩み解消:人には言えない悩みや不満を黙って聞いてくださるため、お参りすることで心が軽くなり、福徳を招くとされています。
  • 子授け・安産:旅の老僧が夫婦の「子が授からない」という悩みを聞いて願いを叶えた伝説から、子授けのご利益も伝えられています。

真福寺の「福福福(しあわせ)地蔵」様も、このように皆様の話を優しく聞き、三世(過去・現在・未来)にわたる幸せを願って、いつでも動けるお姿で見守ってくださっているといえます。お参りの際は、ぜひ心の中で語りかけてみてください。